こんばんは。
まき(@makio_nakatsu)です。
全国行脚真っ最中のALLYOURS木村さんが、岐阜でも2ヶ所でイベントを開くということで、あー近ければ行きたいなーなんて軽く思ってたら、なんと庭文庫(恵那市笠置町)で開催するということだったので行ってきました。

イベントは「クラウドファンディング24ヶ月連続成功5700万円集めたALLYOURS木村さんの頭の中を覗きたい」という題目。
ALLYOURSの木村さん(@kimuramasashi82)といえば、クラウドファンディング界隈で知らない人はいないくらいの超有名人です。
イベント名にもなっているけれど、24ヶ月連続クラファンを成功させて、5700万円も調達したすごい人。なんでこんな田舎でイベントしてんのよ。そりゃ行くよ。
わたしはアパレルやファッション業界にはあまり興味がないけれど、クラファンのほうには興味があったし何より木村さんから直接話が聞けるチャンスはなかなかないと思って参加しました。(金曜日だったからなかなか調整が難しかったけれど)
イベントは、庭文庫店主のみきさん(@mknkd06)と、最近シェアカフェHYAKKEIのクラファンを成功させた園原さん(@mayumi_113)の二人が、木村さんの「頭の中を覗く」というコンセプトの対談形式で行われました。
地元のプレイヤーとして活躍している二人が聞き手になるというのも期待を膨らませます。
なかレポ読者の皆さんのなかにも、このイベントに行きたくても行けなかった人がいると思うので、質疑応答の部分は議事録形式でメモできた限りの内容をご紹介します。
ちょっと長くなりそうなので、気になるところを抜粋して見てもらえたらと思います。

軽く自己紹介のあと、木村さんからALLYOURS立ち上げに至るまでの話や、会社のコンセプトをお聞きしました。
18歳で大手アパレルチェーンの販売員からキャリアをスタート。店長、企画、バイヤーなどを経験している木村さん。
「昔はテレビでキムタクが着てる服をみんなが欲しがる時代だったけど、インターネットの進化でマスがなくなっていった。情報をキャッチする媒体が多様になったことで、みんな欲しがるものが変わっていったことに気づき、一億総ニッチの時代とも言われるこの時代に、一人ひとりの顔の見える商売がしたい」という思いからALLYOURSを始めたそうです。
好きな本にもあげられている、ほぼ日の糸井重里さんの本「インターネット的」(書き足しのある文庫本がおすすめ)をよく引用していました。
パタゴニアみたいに作る理由のある商品を、ほぼ日みたいにコンテンツにして売る。という言葉が印象的でした。パタゴニアもほぼ日も大好きなわたしはこの時点でめちゃめちゃ共感してしまします。
「昔は平日の仕事服はドレスコードが決まっていたので、普段着は週2(土日)のためだけだった。今はドレスコードが崩れてきていて、サラリーマン=スーツというのはなくなってきている。週7普段着の人もいるから、洋服の選び方が変わってきた。週2の私服なら着心地悪くてもかっこいい服なら良かったが、今はそうゆう時代じゃない。」
いまは、楽に着られる普段着、オンとオフ曖昧な服がいいのではないか。という考えがコンセプトにつながっているようです。
この「インターネット時代のワークウェア」というコンセプト 、どうやらCAMPFIRE代表の家入さんからもっと推したら?と言われてた言葉みたいです。
前述のとおりALLYOURSではクラウドファンディングを活用した資金調達を行っていますが、支援者=顧客のことを「共犯者」という言葉で表現されています。
新商品の商品開発からプロセスを全部公開して、お客さんは「共犯者」として一緒に商品のブラッシュアップをしたり、改善点のフィードバックを行うなど、商品づくりに関わる体制ができています。
また、現在では実店舗も構えており、その空間がファンコミュニティのような使われ方をしているという話も印象的でした。お客さん(=共犯者)も交えた「ご飯会」やみんなの場所としての店舗の使われ方は斬新ですよね。

さて、ここからは質問タイム。
ちょっと長いので興味のあるところだけでも読んでみてください。
質問
クラファンやるとき商品は7割の完成度だけど、2ヶ月間の募集期間で試着してもらう。お客さんのアイディアを集めて残り3割の完成度を高めていくみたいな。
プロジェクトの内容も全部事前公開していて、こうゆう機能ほしい!みたいな意見があれば取り入れています。
木村さん
質問
①始める前に何人(プロジェクトのことを)知っているか。
商品を作った後に支援して!ってお願いするのは言いづらいよね。今度作ったらレターを送るので良かったら読んでねみたいなアプローチをまずやっておくといい。割と読んでくれるし支援してくれる。
②クラファンを始める前に顔の見える支援者が何人いるか?
顔の見えている支援者がいると、その人のほしいリターンを用意できる。その人に合わせたリーチが重要で、ほしいリターンがあれば支援してもらいやすい。
勘違いしやすいのは、インターネットで拡散しても、知らない人は基本支援してくれないということ。SNSで拡散できたらみんな支援してくれると思いがちだけどそうじゃない。たまたま電車で隣りに座った人にプロジェクトを説明して支援してもらえるか?と考えるとわかりやすいけど、まずは知ってる人にいかに支援してもらえるかが大切です。
だから、順番は
・知ってる人にプロジェクトを認知してもらう
・知ってる人に支援・拡散してもらう
・SNSで2周目に伝わる
・そのあと知らない人に伝わる
③リターンが重要
50万円集めたい。50人顔がわかる、全員知ってるという状況でも、リターンが2000円の価値しかなかったら目標が達成できない。
リターンの価値は1万円じゃないといけないが、その魅力がちゃんと作れているかが大事。
木村さん
質問
ALLYOURSの商品は、原価がいくらだから上代はいくらという通常のロジックでは決めていない。高い商品=いいものではないし。
Tシャツいくら、ジーパンいくらというように上代を先に決めている。だから原価率50%の商品もある。
木村さん
質問
洋服に割ける時間は少ないほどいいと思っていて、コーディネートに悩む時間はないほうがいい。
ファッションはコーディネート。ここに時間を掛ける人が多いしストレスに感じている層がたくさんいる。
木村さん
質問
服は産業的に未熟で、壊れる前に捨てる。流行り廃りや趣味の変化で捨てるのがかわいそうだと思っていて、破れても直せる。体型が変わってもサイズを(むりやりにでも)直せるようにしている。
木村さん
質問
ぼくはそうゆうのはいいかなと思ってて。洋服に興味ない人向けに作ってる。そっちのほうが人が多かったから共犯者になってくれる人も多かった。
木村さん
質問
木村さん
質問
商品説明は見てても響かない。
例えば、
・小学生でも分かる言葉で書くこと。
・なるべくひらがなで表記する。
インスピレーションは絵本から。ひらがなだし。入ってくる文章と入ってこない文章がある。谷川俊太郎は全部入ってくる。日本語訳の絵本はなかなか頭に入ってこない。
糸井重里さんは
・目で聞けっていう。すぐ音に変換できるような文章で。
・なるべくひらがな
・一行を26文字くらい
・スマホのスクロールを前提に読める文章にする。
っていう感じ。
木村さん
質問
47都道府県回るからサンダルにした。靴下なくていいから。でも臭くなることがわかった。靴下はあったほうがいい。洗わなくていい靴下があったらいいな。とか。
省いたときに困ることがあるとヒントになる。なくても全く困らないものもある。定期的に持ってるものを棚卸しする。そうゆうのを意識的にやってる。
ツアーやると毎日はじめましての人がいる。知ってる人にあったとき、めっちゃいいなって思う。人って新しい人に会うようにはできてないな。って思った。いきなり知ってる人に会うと安心する。友達って美しいな。(笑)
木村さん
質問
木村さん
質問
木村さん
質問
木村さん
質問
自分の好きなことが商品の宣伝になるなら、趣味のことしててもOK。動きやすさ訴求のために自転車乗ってきてもOK。そのかわりブログに書いてねみたいな。
料理を本格的にやりたい従業員がいたら、共犯者と一緒に食べる食事会を企画したり。
ワークライフバランスより、趣味と仕事を融合させられるといいと思う(ワークアズライフ)
木村さん
質問
連続クラファンが前提だから、今回支援してくれた人が次のプロジェクトに支援してくれるとは思ってない。
クラファンは信用の消費になる。だけど、なるべく前の支援者には宣伝してもらいたいと思う。
新規のお客さんは8割くらい。商品のリピート率は通常2~3割だけど、うちは4割くらい。着たくないのに来てしまうセットアップは6割くらいになるから、自分たちの「共犯者」になってくれている実感はある。
木村さん
質問
木村さん
質問
最初は高松に配属になってその後、一宮とか、カラフルタウンとかにいた。岐阜に可能性は感じる。信長が本拠地にしてたくらいだから可能性しかないでしょ。(笑)
逆に可能性がない地域はほとんどない。観光資源ではなくて、住んでる人の魅力を引き出したほうがいい。楽しそうにしてる人がいたらそこに人は集まる。そうゆう人がたくさんいたらいい。
木村さん
質問
アパレル繊維業厳しい。産地に対してどう思いますか?
課題は、その産地で最終製品まで作っていないこと。岡山デニム、今治タオルはブランディングに成功している事例。生地から最終製品を作ってるから。
岐阜だと生地しか作ってない。最終製品がわからないから近くにいる人も何作ってるかわからない。浜松もかわいそう。遠州織りっていう、いろんな織物の元になってる生地を生産しているけれど、別の場所で染めるとそっちのブランド名に変わってしまう。
今、滋賀と大阪でそうゆう原料メーカと一緒にやる事業を進めている。滋賀のキテテコというもので。京都に卸してた和服の下着メーカがステテコ作ってたけど、下火になっててもったいない。
綿ですごく汗を吸ういい素材だからTシャツにした。無印が採用したので向こう数年は仕事になる。
木村さん
質問
ファッションの領域が広がっているブルーボトルコーヒーとかの店員は3年前だとファッション業界にいるようなやつだった。おなじようなマインドを持ってる人に売ってみたい。
中長期的には海外展開。ゴールは同じマインドの人の仲間を作りたい。
木村さん
ALLYOURS、めちゃくちゃ好きになりました。
わたしは、私服を選ぶのにストレスを感じるので同じ服を何着も買ってるタイプ(私服の制服化みたいな)なのですが、ALLYOURSの限りなくストレスフリーな普段着は、実はすごく求めていたものでした。(イベントのあとに服買った)
クラウドファンディングをやる予定はないけれど、すごくいい話が聞けましたね。これから挑戦するぞっていう人にはすごーくためになったかと思います。
結論としては、めちゃくちゃいいイベントだった!です。(語彙力)
参考 ALLYOURSALLYOURS木村さんの好きな本の紹介がありました。
興味のある方は買ってみてくださいませ。
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